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大阪楽鉢「楽雅亭」                        No.583
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◆2017年5月、。   大阪楽鉢「楽雅亭」


大阪楽鉢「楽雅亭」、。
「大阪楽」の認知度が低くて迷惑しています、。つい最近も出版物に大学教授だか研究員だかが「楽忠・楽雅亭の鉢を見て、明治時代か大正時代の製作」と書いたようで、問い合わせに対して「新しそうに見えたから・・」と答えたそうです、。

盆栽界では「楽忠窯」が「江戸明暦2年に大阪堺(現:大阪府堺市)で開窯した」ことは良く知られている事実なのです、。「楽忠窯」は明治12年まで存在したので、詳しい資料が残っているのでしょう、。
◆2007年「盆器大図鑑上巻24頁」の「楽忠右衛門」の項目には・・・
「楽家脇窯の一。忠右衛門(号・道楽)は楽家三代道入(のんこう)の弟で、明暦2年(1656)頃堺で開窯。茶道具はほとんどつくらず主に食器・雑器を焼いたと伝えられる。楽焼に施釉した軟陶が多く、楽焼と陶器の中間程度のものもある。明治中期まで九代続き、二代以降の製品を本湊焼と称する。」、と書かれています、。

この「江戸明暦2年」という年は、忠右衛門の兄・楽家三代目道入が2月22日に没した年であり、恐らくそれまでは兄の楽焼を手伝っていたものと思われます、。兄の死によって楽家の4代目は3代目道入の長男・一入が継ぐことになったので、忠右衛門は大阪堺で脇窯を開くことになったのだろうと推察します、。江戸「明暦の大火」で炎を逃れた人が墨田川へ飛び込み、多くの死者を出した出来事の前年のことです、。

このように「楽忠窯」が明暦2年に開窯したことは周知の事実なのですが、
さて、今月のトップ画像「楽雅亭」はというと(エビアン現在までの所)資料を発見できず、「楽忠作品」と「楽雅亭作品」との比較による状況証拠に頼っています、。
「楽家2代・常慶の弟・宗味」が同じく脇窯を開いていますが、これが「楽雅亭窯」であろうと考えています、。
つまり、「楽忠・忠右衛門」から見れば「楽雅亭・宗味」は実の叔父に当たる訳です、。

年齢的には「楽雅亭・宗味」の方が歳上で、楽家からの独立開窯も「楽忠・忠右衛門」よりも早かった筈なのですが、「楽雅亭」に関する資料が見つかってない以上は、「資料上からは楽鉢は明暦2年が起点だった」と言わざるを得ず、昨年2016年「園芸ジャパン1月号」にはそのように記しました、。実際は「楽焼植木鉢の焼初め」は「楽雅亭」の製作によってもう少し時間的に遡るかも知れません、。
「楽雅亭の窯の場所」は、これも推測ですが、同じく大阪堺であっただろうと思われます、。千利休の出身地であり、利休の家督を継いだ楽家初代・田中長次郎所縁の土地でもあり、楽忠が後に窯を開いたのですから、「楽雅亭窯も大阪堺」に在ったと考えるのが自然です、。

今月の鉢は「楽雅亭・太鼓胴飴釉花浮き彫り紋花盆」です、。
正直なところ、楽忠・楽雅亭の鉢で、浮き彫り紋が瑠璃釉ではなく飴釉である作品を見るのは初めてです、。
これが瑠璃釉と比べて年代的に前なのか後なのか同時期なのかも判断できません、。この鉢は、口径18センチ高さ13センチと小さ目です、。足が「鬼面足 」ではなく「猫足」なのも普通っぽいのですが、胴部分はきっちりと3段の段替わりをとっています、。使い頃の良さそうな鉢ですね、。

「楽雅亭落款」の入った鉢は、非常に希少です、。「楽忠窯」が九代続き明治12年まで製造していたのに比べると、「楽雅亭」は初代か2代目くらいまでしか製作しなかったのではないかと考えています、。後の時代の作品を見ないからです、。そういう訳で絶対数も少ない上に、「楽雅亭落款」を押印した鉢も少ないので、形はどうあれ、残っているだけで貴重品です、。

「楽忠」「楽雅亭」型には「無落款」の鉢も多く、弟子による制作なのか、どういう訳なのかは不明です、。
(西口郁夫氏所蔵、撮影も同氏)





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by evian_th | 2017-04-30 22:30 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
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