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◆「東洋蘭風来記・5」                No.194
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これは、「自然と野生ラン」誌に2003年11月号から2004年10月号まで連載した「東洋蘭風来記」です、。連続12回掲載します、。挿入画像もなるべく同じ品種のものを使用します、。
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◆No.5、「俄然人気の中国春蘭一茎一花」


 過去4回に亘って舌の色や形について記しました。最近とくに愛好家の観賞眼が深まり、よりマニアックになってきたので、春の展示会シーズンに向かって役立てて頂き、全国各地から「力強く、良い舌」をした珍品、貴品が登場してくることを切望しています。
 この「東洋蘭風来記」は日本伝統園芸協会様と新企画出版局とのご好意で、私の自由にその時々の東洋蘭や蘭界の動きについて書かせて頂いています。従って、すべての文責は筆者自身に帰するものであることを付記しておきます。

◆蘭界の現況を分析
 元々、東洋蘭界という所は金銭や蘭の蒐集に対する愛好家の欲望が、自身を魔神や妖怪へと変化させ、魑魅魍魎が百鬼夜行するような世界でした。だからこその面白さも存在したのですが、最近の東洋蘭価格の下落と共に、それらの影も薄くなり健全になった半面、その一方では面白味も半減してきたように感じます。
 ところが、ほとんどの蘭価格が右下がりの矢印のなかでこの数年、俄然注目を浴び、人気沸騰、価格上昇に転じてきた分野が存在します。「中国春蘭一茎一花」の蘭たちです。新進愛好家ばかりか、ベテラン愛好家をも巻き込んで、今や引っ張りだこの人気です。その背景には緑苔素心の蘭が人気を集めているのと同じように、既存の銘品に対する「倦怠感」も存在しますが、30年程もの長期に亘って見向きもされなかった中国春蘭一茎一花の良さが「新鮮に見え始めた」という不思議な現象が起こっています。そして気がつくと国内の一茎一花の数の少なさも、その追い風になっているように思えます。

◆一茎一花にまつわる過去30年
 どうしてこれほどまでに国内市場の一茎一花が少なくなってしまったのか、その原因を考察すると
①昭和60年前後の第一次韓国春蘭縞物ブームのときに、韓国国内での中国春蘭の需要に対し、韓国へ向けて大量に流通したこと
②近年、中国と台湾とが日本国内の一茎九華を買い集めると共に、中国での需要に応じて春蘭一茎一花も中国、台湾へ流出していること(現在なお進行中)
③20年近く前に、世界蘭会議の共催行事として世界蘭展が東京の向ヶ丘遊園で開催されて以来、仙台、福島、東京、静岡、名古屋、大阪、岡山、福岡と、国内各地方に国際蘭展ブームが広がり、初心者向けの丈夫で作りやすく、花も香りもよい蘭の代表で根巻きの即売品として下級品扱いされ、蘭界外の一般園芸愛好者へ多量に販売されたこと
④蘭界に残った少数の品も、あまりにも長期の価格と人気の低迷ぶりに粗末にされ、枯死や害虫、病気によって廃棄されてしまったこと
などが考えられます。なかでもとくに③の国内ではあっても蘭界外へ流出した数量はちょっと想像もできないくらい膨大で、蘭界内部での一茎一花の数量の回復には相当の長期間を要するものと思われます。現存数は品種にもよりますが、おそらく日本春蘭銘品の数千分の1かそれ以下だと思われます。
 インターネットオークションの分野でも、中国春蘭の銘品が出品されると大変な人気で、一時のことを思えばかなりの高価格でセリ落とされています。無病の健全苗であれば一部銘品は1本1万円になることもあるようです。しかし、先程も記しましたように、現存数に比べてその価格はまだあまりにも安価で、今後も新しい愛好者の参入が続き、ベテラン愛好家達の見直し気運が強まり続ければ、いずれ数年の内には現存数に見合う価格まで上昇することが予想されます。そうなれば、実に楽しいことです。
 最近の中国春蘭一茎一花の分野は、まだまだ低価格ながらも、その動きは「すでにブームである」と言えるほどの人気です。ただし、昭和30年代から40年代の中国春蘭ブームの時の主役と比較すると、品種的にひと味違った傾向がありますので、それらを次回以降に記します。(2004年3月号)
by evian_th | 2008-07-04 02:43 | 東洋蘭(春蘭)
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