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京楽焼・佐々木松楽鉢                     No.537
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◆2015年6月、。   京楽焼・佐々木松楽・花鳥紋鉢


◆6月の植木鉢は、京楽焼・佐々木松楽窯製の「花鳥図鉢」、。
「佐々木松楽窯」は、明治後期の明治38年の開窯、。
元は「錦絵師」(錦絵というのは浮世絵の絵師のこと、)だった佐々木吉之介が「龍の置物」を作った事が始まりの製陶所、。清水寺門前に窯を開き、昭和19年に現在の京都府亀岡市へ窯を移し今に至っています、。
現在は4代目で茶道具専門窯元になっていますが、初代と二代目までは「楽焼鉢」を焼きました、。これらは、過去スレに(奥部屋にも)書いた通りです、。

風来記No.514「佐々木松楽窯」(クリックで表示)

◆一昨年2013年秋、京都の丸山健氏によって短冊家当代から聞き出して頂いた情報に基づき「短冊家・浮田楽徳」以外の3窯「佐々木松楽・大虎・福井楽印」の名前が判明しました、。その情報を元に1年間考えを纏め古書籍等から研究して来て、昨年2014年6月に突然判明した窯元です、。主として「能や浄瑠璃」からテーマを取る事が多く、「目出度い絵付け、」を得意とします、。楽焼鉢では「万年青鉢」の製造を主とし、「蘭鉢」も少しはあるようです、。「佐々木松楽窯」に関する情報は、エビアンが直接「佐々木松楽窯の当代」と話をし、お聞きした内容です、。佐々木家には「萬年青が大流行すれば万年青鉢を造れ、」という家訓が伝わっているともお聞きしました、。

足の絵付けに特徴があり、「菊花紋の周囲に緑色の葉」を描き、外側を金泥イッチンの唐草紋で囲みます、。
元々が「絵師」の出身ですから絵付けは非常に上手く、京都にある窯元でありながらも京都の伝統紋様に縛られることなく、自分でテーマを探し出しての絵付けを施しました、。この点は、同じように「京狩野・大和絵派」の出身の絵師から転身した「浮田楽徳窯」とはテーマ性に於いて大きく違うところです、。「浮田楽徳」は京都の西陣や友禅など着物界に伝わる伝統紋様を忠実に踏襲した作品を得意としました、。(大虎窯も浮田楽徳窯の同系の窯だと、今の所エビアンは考えています)、。

◆「佐々木松楽窯」にしろ「浮田楽徳窯」にしろ、元は「絵師」の身であり、「絵付け」を得意とした窯元なので、「台となる素焼鉢」は言わば「目的の絵を描くためのキャンバスに過ぎない」わけですから、台の鉢の作りは「陶工出身の窯元の製品」には鉢質の硬さの点において敵いません、。
「絵師出身の窯元製品」は柔らかくニュウが入り易いのです、。恐らく、初めの陶土の練り込み段階での空気抜きが不完全で、陶土に空気が多く残っている状態で素焼鉢の製作に掛かってしまったのでしょう、。陶工出身窯では練り込みに多大の時間を掛け、一度練り込んだ陶土を更に寝かせたりします、。
「ニュウ」があることは陶磁器としては勿論大きい欠点ではありますが、この事が窯元判断の決め手の一つでもあるので、特徴とも言えると思っています、。

同じようなことは、江戸後期の「京焼界」の製品にも当て嵌まります、。、奥田頴川門下の欽古堂亀祐・中川嘉介(三文字屋嘉助(加介)・青木木米等の1830年頃の「交趾写し」の陶器も、釉薬(この場合はウワグスリ)と下地の陶器との接着が完全ではなく、「釉薬が剥がれ落ち易い」のです、。
従って、この時代の名工の作品には釉薬が剥がれ落ちた作品が多く、これが「本物であること、」の大きな目安となります、。剥げ落ちた部分に「漆繕い」や「金繕い」を施しても構いませんが、「まるで無かった事」のように「剥がれが見えないよう」に補修してしまってはいけません、。

◆さて、今月のトップ画面の鉢は「佐々木松楽窯」の作品ですが、2つの疑問があります、。
1、これは何鉢であろうか
2、主役として描かれている鳥は何鳥であろうか
・・・という点です、。

鉢は時代乗りから見て初代の作と思われ、明治後期の製造でしょう、。その頃の京都ではどんな園芸植物が流行っていたのかが不明なのです、。鉢の大きさは、口径22センチ、高さ15センチの鍋型です、。「福寿草」などでしょうかねぇ、。
一の足に描かれた鳥は、頭頂部に鶏冠(とさか)が見られないので「鳳凰」ではないようです、。羽が青色ではないので「雉」でもない、雉のメスかも知れないけれど、。「山鳥」あたりでしょうか、。耳のようなものがありますね、。

他の小鳥も写実的に描かれ、下草には「小菊」、上からは「楓(?)」(桐の葉のようでもあるけど)、小菊の中に「亀」が居て、これも「佐々木松楽」の得意の絵付けです、。腰部分下部には鋸歯紋に菊花、。
全体的に見て、絵のテーマ、色使い、絵具の種類、など「佐々木松楽」の持ち味を充分に発揮した銘品だと思います、。(西口郁夫氏蔵)


最近のエビアンは、「京楽焼」に「第六番目の窯」があるのではないかと考えています、。「京楽5窯」には分類できない鉢の存在が頭から消えないからです、。京楽五窯に当て嵌めようと思ってみるのですが、どうにも無理があってね、。「京楽鉢」もまだまだ奥深い、。

最近は御常連の中の若い東洋蘭愛好家が時々楽焼鉢を買って下さる、。鉢は若い頃から始めた方がいいから歓迎すべき傾向だと思ってます、。エビアンが無言の抵抗圧力を受けながら進めて来た「楽焼鉢の研究」だからね、ようやくここまで判明したのを将来的に引き継いでくださる「鉢数寄」が出て来ることは大いに喜ばしいと思ってます、。鉢は所有してみないとね、理解できない部分も多いものだから、。





by evian_th | 2015-05-31 19:00 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢



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