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三河楽「網干千鳥紋蘭鉢」                    No.620
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◆2019年6月、。   三河鉢「網干千鳥紋」蘭鉢、。(あぼしちどりもん)


三河楽「網干千鳥紋蘭鉢」、
昨秋の柄物展の交換会で購入、。競り台に上っている時から「妙な文様の鉢だなぁ」とは思っていたが買ってみないことには観察もできないから競り落とした鉢です、。植木鉢得意の商人さんもエビアンが買ってしまった鉢をけなす訳にもいかないから「なんともモダンな絵付けの鉢ですねぇ」などと言う、。エビアンの方も「変な鉢を買ってしまったなぁ」と思いつつも手元に置いてました、。

先月5月に使用の万年青鉢の「雲竜図」の周囲を取り囲む「窓」の形の呼び名を探す内に「千鳥文様」のページを見ていて、この鉢に描かれた「教会の屋根をデザイン化したような文様」が「網干千鳥紋(あぼしちどりもん)」という古典の呼び名があることを偶然に発見したものです、。

浜辺で漁網を干す様子をデザイン化したもので、漁網の上空には数多くの千鳥が飛んでいる、という景色を映したものだそうで古く室町時代に遡るレッキとした文様用語をもらっていました、。文様の呼び方が判明した喜びよりも正式名を持つ文様だった事の方に驚きました、。

愛知県三河湾に面した西端などの浜辺では漁業が盛んで干潟も多かったのでしょう、。千鳥も多く群れ飛ぶのどかな漁村風景が目に浮かびます、。三河湾には現在でも東京湾や有明海と並んで「アサリ」の漁獲量日本一という六条潟など有名な干潟も残っており、往時にはさぞ美しい浜辺だったのだろうと想像します、。

それにしても「千鳥(チドリ)」はよほど日本人に馴染みの深い鳥だったようで、古典文様用語にも「波千鳥・浜千鳥・磯千鳥・群れ千鳥」など用語も多く、平安時代から使われていたようです、。まさか先日焼失したフランス・ノートルダム寺院の屋根のような文様にまで名前が付いていた事は驚きでした、。
普通一般には「千鳥紋」を描くときは下方の図の下部にあるように「ひよこ饅頭のようなアジの開きのような」形に描くか、下図・網干千鳥紋の説明画にある「スズメのような風」に描かれるのです、。この鉢には「カモメかカラス」のように描かれていますが、まぁ「千鳥紋」と呼んでもよいと思います、。愛楽園初代・杉浦重平氏はこういう描き方をしました、。

「西端楽鉢」の黎明期に伊藤善之助などから教えを受けた桃源社のメンバーの鉢か、それほど古くない場合は杉浦重平やその世代の作だと思います、。口径11センチ強、高さ15センチ強、。

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by evian_th | 2019-06-01 00:03 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
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