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◆「東洋蘭風来記・3」                No.192
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これは、「自然と野生ラン」誌に2003年11月号から2004年10月号まで連載した「東洋蘭風来記」です、。連続12回掲載します、。挿入画像もなるべく同じ品種のものを使用します、。
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◆No.3,「紅舌」(ベタ舌)と「硃砂素」
舌表面の色を「苔」(タイ)と言うことは前回までに述べました。この苔に紅色や紅紫色を現わした物を春蘭界では「ベタ舌」と呼び、表現しています。おそらくは寒蘭界で昭和50年前後に使われ始めた用語であろうと記憶しています。
 この「ベタ舌」という言葉はあまり上品な表現とは言えない上に、話し言葉としてはともかく、カタカナ文字の使用というのも春蘭用語として正式に出版物に印刷する場合にはどうかと思われるのです。
 そこで栃木県の業者の方が使用し始めた言葉ですが「紅舌」(コウゼツ)という表現が割合に的を得ていると思われ、全国日本春蘭連合会でもこれを正式な用語とする方向にあります。口語体で話す場合には「ベタ舌」も使いやすい言葉なので残すとしても、出版物等には「紅舌」と表記するのがよいと考えます。
 この紅舌のランを観察すると、現存する品種の大部分は、舌周辺に覆輪状に白い部分を残す物や、舌中央に白筋を通す物、そのほか舌奥部や裏側に白色部を残す物、また、紅苔の中に霜降り状に白筋を現わす物などがあり、それらの総称として「紅舌」と呼びます。

「紅舌」の細分化
 中国蘭の用語にある「硃砂素」「刺毛素」「桃腮素」という語と、「紅舌」との違いについて、以下に記します。
■硃砂素(シュサソ)
硃砂とは印肉に使用される硫化水銀のことで、朱紅色を指す言葉です。『蘭蕙同心録』のなかの『滋蘭樹恵山房同心録・巻二』の「素蘭」の項によると、舌の表裏に一条の白線、一点の白点も現わさない、舌全体が紅色一色に染まった物のことを指します。
 この点において、日本春蘭の紅舌とは明確な違いがあります。日本春蘭では今までのところ、この硃砂素に該当する舌を持つ個体は発見されていません。(画像の朱雀門が時としてこの芸を現すことがあります)
■刺毛素(シモウソ)
 輪郭がはっきりしない、ボンヤリとした紅色が舌表面に発現した物をこう呼びます。これまで日本の春蘭界では「刺」という語を、針で刺したような小さな紅点の集まりだと解説した文章が定説でしたが、上記の刺毛素本来の意味からは矛盾します。「刺」はもともとは「痣」(アザ)という文字ではなかったかと推測され、「毛」はカビのことを言い、これは正月の鏡餅の表面に発生するような境目のはっきりとしないカビのことを指す語です。
■桃腮素(トウシソ)
舌の奥の両側にある上方へ立ち上がった部分を「腮」と呼び、この腮の部分に薄い紅色を現わす物をこう呼びます。
 ◆   ◆
 素心という語は花弁、舌はもとより花軸、包皮にいたるまで同一の色に統一された物のことを指しますので、ここに述べた硃砂素、刺毛素、桃腮素はこの意味で「準素心」に分類されます。


疑似(一時的)緑苔素
 緑苔素の話に戻りますが、一般の素心、白苔素や黄苔素の蘭でも授精させると、老花になったとき、一時的に苔状の緑苔を発現することがあります。老花となり花軸が硬く木幹状で、鼻頭が取れてなくなっているか、蕊柱があきらかに授精して先端部がふくらんできているようなものは、たとえ緑苔を現わしていても、授精による一時的緑苔現象の可能性もありえますので、もう一年待って、次回の花を観察してみる必要があります。
 この場合は筋状の緑苔ではなく、舌の先端部がうっすらとした緑色になります。(2004年1月号)
by evian_th | 2008-07-04 00:40 | 東洋蘭(春蘭)
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