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◆「東洋蘭風来記・7」                  No.196
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これは、「自然と野生ラン」誌に2003年11月号から2004年10月号まで連載した「東洋蘭風来記」です、。連続12回掲載します、。挿入画像もなるべく同じ品種のものを使用します、。
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◆東洋蘭風来記 7
新しい中国春蘭の仲間達

 旧来の中国春蘭一茎一花とともに、最近とくに人気を高めつつあるのが「朶朶香、豆弁蘭、蓮弁蘭、春剣蘭」と呼ばれる蘭達です。以前はそれらを「奥地のラン」と呼んでいましたが、現在では、上記各々の呼び名で呼ぶようになっています。
 元々は、衆議院議長でもあられた故・松村謙三さんが、日中国交回復前に中国政府の招きで訪中された折に、中国各地で買い求められた品々を友人達に分株されたりして、蘭界にその存在が知られるようになりました。後に私が拝見した品では「四川緑 」(しせんりょっき)、「峨眉素」(がびそ)、「銀稈素」、「大紅朱砂」など、春剣蘭や蓮弁蘭が多かったようです。
◆近年になり、園芸文化の交流が深まるにつれて、新しく中国からそれらの蘭が様々なルートで入ってくるようになり、園芸的に独立命名するほどの品はまだまだ少ないのですが、ちょっとした品であれば、在来品種や日本春蘭ばかり見てきた人の目には新鮮に見え、新しい分野として入手希望者も多く、マニアの間では静かなブームの様相です。
 一般的には、名前を聞いたことがある程度の人達も多いと思いますので、各々について中国で発行された本の内容を元にして、私見を交えながら述べてみます。

■『朶朶香』(だだこう)
 雲南省国蘭総会、雲南民族出版社刊の「雲南蘭花」によると、朶朶香は雲南の大部分に広く分布し、自生地は海抜500~2550mの林下、陰湿地に見られるようです。一茎一花でときに双頭花、多くは春に咲くので春蘭と言われ、香気が快いので雲南では朶朶香と呼び習わされています。中国蘭科植物中、分布がもっとも広く、栽培歴史のもっとも長い蘭のひとつのようです。根は肉質で白色、バルブはやや小さめ。葉長20~40cm、葉辺に細いギザを持ち、葉脈ははっきりしています。花茎は直立、外三弁および棒心は肉質で苞皮は4~5枚。花色は淡緑、深緑、浅紅、紫紅、浅黄、黄緑色などで、その香りは濃厚で長持ちする(気味濃而持久、清香濃烈)らしいです。我家の数鉢を今春ずっと嗅いでみたのですが、香りがとくに長持ちしたとも思えませんでした。現在、流通している朶朶香がすべて雲南省産とは限りません。江蘇省、浙江省産の伝統的中国春蘭を雲南で朶朶香と呼ぶのだと解釈することもできます。学名は両方とも、Cym.goeringii(china)です。少数ではありますが、すでに荷花弁や奇種など園芸種も移入されています。

■『豆弁蘭』(ずべんらん)
 学名はCym.goeringii var.serratumといい、春蘭の変種とされています。香りはほとんど無臭のものから、微香を有するものまであり、弁形は梅弁、荷花弁、荷型水仙弁が多く、根は他の蘭と比較して、太くたくましく、まるまるとしています。バルブは楕円形、葉繰り5~7枚、葉長40~50cm、葉面はザラザラしていて、ギザははっきり目立ち、葉幅は糸ランのように細いものから1cm前後のものまであります。自生地の複雑な自然条件や強い紫外線を長期間受ける影響により、花色は千変万化で緑色から朱金、紅色、黄色、白色までと変化に富みます。花期はほかの春蘭よりも長く40日程度。極めて高い観賞、審美価値を有し、すでに素心や奇花なども日本へ入ってきており、日本人の感性に合致した蘭だと思います。
 花茎が朶朶香よりも高く伸びること、根の形状と性質が丈夫な点、強い香りは有さない点、多くは半立葉である点などにより、同じ一茎一花であっても朶朶香との区別、判断の基準としますが、自然交雑種のような両種の中間的な個体も多く、判断に苦しむところです。中国人がこの蘭の価値に気付くよりも早くに日本人が好んだために、結構な観賞価値のある優品が日本に入っています。今後は安価には入らないでしょう。
 連弁蘭、春剣蘭については次回に記します。(2004年5月号)
by evian_th | 2008-07-11 19:40 | 東洋蘭(春蘭)
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