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金華山銘入り特注鉢          No.665
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◆2022年6月、。     「蕙蘭・金華山」特注鉢、


猛暑の6月の入り!!!,、。

蕙蘭・タイミンラン古典の銘蘭「金華山」特注鉢、
風来記で「蕙蘭」のことを書くときには、昭和40年代のエビアン自身の体験からの知識で書くのですが、深くは知らない部分は、戦後の蕙蘭界の大商人・和田野寅治氏の文章から引用させてもらっています、。和田野氏は蕙蘭品種の各々について非常に詳しいのですが、その和田野氏でさえ「タイミンラン金華山の誕生は明治時代以前だと言われている、とだけしか書かれていません、。
細葉になりますが、「建蘭・加治谷」の誕生は非常に古く、江戸天明年間(1780年代)のことで、「蘭の葉変わりの元祖と言われている。もので、紀州の鍛冶屋さんで芽変わりしたものだ。」と詳しいのに、広葉の最古参の「金華山」に関しては、明治以前の変化という以外には何も分からないのでしょう、。「金華山」は天下の大銘品「鶴の華」や「金鳳錦」「金鳳」など多くの銘品を生み出した銘品です、。広葉蕙蘭は「金華山」から始まったとも言えるほどなのです、。

今月ご紹介する楽鉢は、「蕙蘭広葉・金華山のルーツ」を証明する上で貴重な資料となるかも知れません、
鉢は口径19.4センチ×高さ19.3センチという6寸5分胴返しの万年青鉢、。新しそうに見えますが、中へ入れる蘭の名前を指定しての鉢ですから2~3回も展示に使用されれて役目を果たしたのでしょう、。京楽・浮田楽徳二代目の鉢です、。非常に丁寧な台の作りと絵付けが施されており、高価な特注鉢であったことがうかがえます、。

正面1の足には「金華山」の銘が入り、1の足の真後ろ側には、この文の下に掲載した何やら意味不明な縦書き3文字が描かれていたようです、。
現所有者さんは不審に思って、表面の文字が描かれた1層を磨き取られたところ、その下からは下方下段の3文字が出て来たのだそうです、。
「四時園」と読むらしいのですが、アドバイザーのお世話になって、何とかかんとか「四時園」であろうということに落ち着きました、。

では、「四時園」とは何か?、蘭を扱う園芸商人の屋号なのか人名なのか?、
日本の歴史上「四時園」という言葉は2度出て来ます、。
初めに登場するのは、安永2年(1772年)熊本藩家老の米田松洞という人物が「四時園詩集・初編・巻1-4 1冊を編し、ということで、どうも「四時園」なる詩人が居たらしいのですが、この鉢とは関係なさそうです、。いや、初代四時園とも言えるので全くの無関係とは言えないのですが・・・、。

二度目に出て来るのは、文化9年生まれの俳人・大原其戎が万延元年(1860年)京都に出て桜井梅室に学び、二条家から宗匠の免許を受け「二代目・四時園」を名乗ります、(四時園とは俳人の名前だったのだ!)、。二代四時園は明治13年俳誌「真砂の志良辺(しらべ)」を創刊し、門人に正岡子規などが居たようです、。(大原其戎1812年~1889年・明治21年没)

どうも、ここらが匂う、。・゚・(。つ∀≦。)・゚・。、、
ではこの鉢の注文主さんが二代四時園さんなのか、というと話しが合わなくなります、。この鉢を製作した二代目浮田楽徳は大正元年~大正11年の人だから、明治21年に他界した二代四時園とは時間がずれるのです、。
大正元年から11年までの間に二代楽徳にこの鉢の製作を注文したのは誰か、は不明です、。では、何故「金華山」の名と「四時園」の名とを同一鉢に描かせたのか、というと・・・、
「金華山の作出か命名かに四時園が深く関わった」ことをよく知る人物が「金華山と四時園との名前を一つの鉢に並べて描いて記念にした鉢、」の証拠だとエビアンは考える訳です、。

ですから、和田野寅治氏が「金華山の命名は明治以前」と言っているので、「金華山」が命名されたのは、大原其戎が京都へ出て来て「二代目四時園」を名乗った万延元年1860年から明治維新までの7~8年間の内のどこか、ということになります、。この鉢はそれを証明した鉢なのです、。
蕙蘭界の歴史上から「闇の部分」が一つ消えることになる鉢でもあります、。

個人的には「四時園は単なる命名者だったとは思えず、四時園の栽培品のタイミンランに黄覆輪が出たので命名したのではないか(つまり、作出者であり命名者でもあった)と考えてますが証拠はありません、。更に追加するなら「この鉢の発注者は、二代目四時園の息子さんとかの近い親族では無いかと想像します、。かなり気合いの入った高価な鉢の注文の仕方ですから、。制作年は、二代四時園さんの33回忌に当たる大正7~8年ではないでしょか、」親族の故人を思う気持ちが伝わる鉢です、。
(鉢サイズは上記、立岩信彦氏所蔵)、。

金華山銘入り特注鉢          No.665_b0034163_00254063.jpg
記事編集上のご協力者:園芸JAPAN誌大塚主幹、および、風来記御常連(柳瀬)しんちゃん、。(しんちゃんは漢字を扱うプロで、大きな声で漢字を読み上げる仕事をされてます)、。

金華山銘入り特注鉢          No.665_b0034163_00231063.jpg

金華山銘入り特注鉢          No.665_b0034163_00231713.jpg
「金華山」の芽変わりの内で最も出世した大銘品「鶴の華」、。
金華山銘入り特注鉢          No.665_b0034163_00232807.jpg
金華山銘入り特注鉢          No.665_b0034163_00254063.jpg
すみません、大阪の展示会場が宝塚市へ身売りされたようで、リンク先が変りましたので、次の展示会の時に見付けやすいように、参考リンクを張らして頂きます、。
申し訳ありません、。







# by evian_th | 2022-06-01 00:03 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
七々子蘭鉢          No.664
七々子蘭鉢          No.664_b0034163_20335948.jpg
七々子蘭鉢          No.664_b0034163_20340586.jpg
七々子蘭鉢          No.664_b0034163_20341113.jpg
◆2022年5月、。     多分短冊家の七々子蘭鉢、。


何かしら、温度計的には25℃を超える日があっても、底に冷たい空気が流れているような肌寒さを感じる5月の入りです、。
今は「春の土用」の最中、5月5日の「こどもの日」は「立夏」、。もう「夏、」なのにね、。

七々子蘭鉢、。
なんか、「七々子鉢」を見るとホッとする気がします、。楽焼錦鉢の中でもエビアンにとっては基本は「魚の子鉢(七々子鉢)」なのです、。「楽鉢」の調べ始めに最も多く見た柄だからかも知れません、。三河鉢なら「波千鳥鉢」だったでしょうけど、京楽鉢の場合は「七々子鉢」と出会うことが多かったのです、。
「魚の子柄」は「魚の卵から」ペルシャの彫金の世界でデザインされ、シルクロードを伝わって中国経由で日本へ到達し、特に「京楽鉢」で多用されました、。
楽鉢の窯元はどこの窯元でも重宝された柄で、「魚の卵」に見える鉢から「金網」に見える鉢まで描き方は様々です、。

画像の鉢は、3枚しか撮影されて居らず、横から画像は1枚だけ、。それでも使いたかったのは、これ結構古いぞ,と感じたからでした、。妙な風に胴を絞らず、鉢底穴は小さく、使われている陶土は「西端粘土」のように赤く、どこか辿々しい作りの中に気品を感じたからでした、。
気分がスッキリと落ち着く,良い鉢を見せてもらいました、。チョッと断定するには勇気が要りましたが、「短冊家」の鉢だと思います、。、飛田邦之氏所蔵、。


七々子蘭鉢          No.664_b0034163_20333896.jpg

七々子蘭鉢          No.664_b0034163_21202026.jpg











# by evian_th | 2022-04-30 21:01 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
浮田楽徳万年青鉢          No.663
浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_21191009.jpg
浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_21192999.jpg
浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_21194109.jpg
浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_21200143.jpg
◆2022年4月、。     浮田楽徳万年青鉢、。


浮田楽徳万年青鉢、。
長い時間、掲載をためらってきた鉢画像、。この鉢は「華幸園展」に出品されていた時には「桐に鳳凰図・万年青鉢」ということでしたが、正面からの一方向画像しかなくて「桐の木」を描いてあるだろう「鉢の裏側の画像」が無いからでした、。
鉢の形は胴の中央部分で外側へ気持ち膨らむという特殊な形をしていて、注文主の個性が感じられる鉢です、。絵付けの「鳳凰」にも背景全体に描かれている「瑞雲」にも浮田楽徳の個性は発揮されて居らず、絵付けからは窯元の判断が付きにくい鉢です、。
時代はそこそこ古く,明治中期頃まで遡れるかと思いますが、好みの分かれる鉢でしょう、。
口径12センチ×高さ10.5センチ、。華幸園展にて撮影、。


浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_22192534.jpg
お向かいの家の桜の木は今年から無くなり、町内の他の木はまだ開花せず、2年前の撮影の桜画像を使用、。
浮田楽徳万年青鉢          No.663_b0034163_21202026.jpg














# by evian_th | 2022-04-01 21:22 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
花唐草紋万年青鉢          No.662
花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_19585410.jpg
花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_19590128.jpg
花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_19590850.jpg
花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_19591416.jpg
◆2022年3月、。     花唐草紋万年青鉢、。


春三月の入り~!!!,、。
楽しみに楽しみに待ち兼ねた春になりました~、。

福井楽印窯製の「花唐草紋万年青鉢、」、。
台の鉢は見れば見るほど「短冊家製」に見えますから,この「福井楽印」という窯元は凄い腕前をした窯元です、。絵付けは、これも短冊家に似ますが「短冊家よりもチョッと色気」がある絵付けをします、。
上画像の鉢の場合は、胴部分に描かれた「花」が「水彩画の下絵のようにリズミカルである」ところから判断します、。鋏み痕が短冊家とは違うのですが、この画像では判然とはしません、。
「黒い唐草」は,どの地方のどこの窯元にも似た描き方の黒い唐草文様は存在しますので見分けの手がかりにはなりません、。
小さい鉢ながら、ガッチリと作られています、。11センチ×高さ10.5センチ、。(華幸園展にて撮影)、。

花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_19592220.jpg
花唐草紋万年青鉢          No.662_b0034163_20004894.jpg








# by evian_th | 2022-03-01 00:03 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢
楽徳初代万年青鉢           No.661
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楽徳初代万年青鉢           No.661_b0034163_22585858.jpg
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楽徳初代万年青鉢           No.661_b0034163_22591585.jpg
◆2022年2月、。     初代・浮田楽徳「桐唐草紋万年青鉢」、。


「コロナウイルスデルタ株」「オミクロン」全盛期の真っ最中、。一日の感染者数8万人、。オミクロンの次も出ていて「ステルスオミクロン」だって、。PCR検査をすり抜けるんだって、。今はそういう時期に居ます,。後の参考のために書き留めておきます、。寒い毎日です、。

いい鉢なんだけど、どうも同じ足の方向からの画像しか撮影されてなくて、4枚とも「1の足画像」です、。
撮影は2005年、「東洋蘭風来記」が「自然と野生ラン」という雑誌上に記事のみが誕生した頃、読者は与えられる情報からしか「蘭でも鉢でも」判断しなければならなかった時代は画像のように「横方向から」のみの写真で気持ちは済んでいたのでしょう、。

「これじゃどんな鉢かの判断が出来ない」とも感じなかったのでしょうね、。鉢底画像や上方から鉢の内側を覗き込んだ画像、鉢の横や背後からの姿を読者が求めるようになるのは,この画像が撮影されてからまだずいぶん先のことです、。今はネットオークションでも懇切丁寧に上から下から写して見せてくれます、。

初代浮田楽徳の作品の中でも特に古く,素焼き鉢の作りも絵付けも丁寧な高級鉢だとおもいます、。15.5センチ×15.5センチの胴返し、大きめの5寸鉢、画像は白い点々が邪魔で良く見えませんが,実物はきっとドッシリした良い鉢だと思います、。
「植木鉢の画像」が「横からの一方向画像」で通用していた時代は2005年の後くらいまでだったことを思い出させてくれる一枚です、。
持ち主は神奈川県の飛田邦之氏、。飛田さんに頼めば、もっとほかの角度から撮影して下さったかも知れませんが、「植木鉢画像のターニングポイント」としてのこの画像をそのままで使用して時代の思い出としました、。

楽徳初代万年青鉢           No.661_b0034163_22552194.jpg
楽徳初代万年青鉢           No.661_b0034163_23405580.jpg







# by evian_th | 2022-02-01 00:03 | 東洋蘭鉢・楽焼鉢・古鉢・ラン鉢



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